時宗の僧、遊行上人が陸奥の白河の関を越え、広い道を選んで歩みを進めると、一人の老人が呼び掛けて現れる。老人は、前の遊行上人が川岸の旧道を通ったことを知らせ、その道を案内して、「朽木の柳」という名木のある古塚を見せる。これははるかに昔からの名木で、西行が歌に詠んだこともあるのだと説明した老人は、上人から念仏を授かって古塚の陰に消える。(中入)夜になると、老体の柳の精が烏帽子狩衣の姿で現れ、柳にまつわる説話の数々を聞かせ、報謝の舞を舞う。