演目のご紹介

翁(おきな)

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「翁は能にして能にあらず」と言われ、他曲とは別格に扱われ、形式が全く異なり天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈る神事として演じられ、戯曲的な構成はない。初めに<翁渡り>といい、千歳、翁、三番叟につづき、素襖、侍烏帽子の最高礼装の囃子方、後見、地謡方の順に出て、三番叟以下は橋掛かりで待ち、正面での翁の一礼の後、一同所定の位置につき、演奏が始まる。まず、三挺の小鼓が打ち出し、翁の謡出しにつづき、千歳が舞いを始める。その舞の間にシテの翁は白式尉の面(切顎という顎のところで2つに分かれ、飾眉を貼り付けた他にない特色です、また目をへの字にくりぬき笑いと福顔をたたえている)をつけ終わり、荘重な翁の舞となる。舞終わると面をとり、礼をして退場する。これを<翁帰り>という。この後三番叟の舞となり、始めに面をつけず、掛声を掛けながら舞う<揉の段>を舞う。その後黒式尉という面をつけて鈴を振りながら舞う<鈴の段>の舞の後、面と鈴を置き退場し、演奏がおわる。

【参考:「能・狂言事典」平凡社、喜多流謡本】