演目のご紹介

大会(だいえ)

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天狗が暴れ回って世の中が騒がしかったころのお話。西塔に住む僧が都へ出て帰る途中で、5、6人の子供達が何かを囲んでいた。よく見ると、大きな鳶を縛り上げ、木の枝でいじめているではないか。訳を聞くと殺して羽を取るのだという。僧は慈悲の心から子供達に扇を与え、鳶を逃がしてやった。(アイ狂言の語り) しばらくすると、庵室に山伏が尋ねて来た。それは先程助けてあげた山伏姿の天狗であった。命を助けられたお礼に、望みを叶えるという。僧は、釈迦が霊鷲山で説法した有様を拝みたいと望む。そこで天狗は引き受け、僧を松の上の山へ連れて行くが幻術なので決して信心を起こすなと念をおして消える。(中入)僧が目を閉じて待っていると音楽が響き、そこは霊鷲山となり釈迦の姿になった天狗が僧に大会を見せる。僧は天狗との約束も忘れ、思わず合掌をしてしまう。すると、今度は帝釈天が天を下って現れ、天狗を信者をたぶらかしたとこらしめ、幻術は破れてしまう。そして天狗は深谷の岩洞に消え去る。